バイオ加工製品のチョークマーク

紳士スラックスを、水洗クリーニングしたところ、全体に筋状の退色が見られました。 筋状の退色は、繊維製品の品質管理用語として一般にチョークマークと呼ばれています。 糊抜きの不十分な着物地、テンセル等の素材や顔料プリント製品に多く起こる事故です。 この綿素材は、全体に薄い起毛加工がなされています。この加工は、エメリン加工などもありますが、この場合は酵素によるバイオ加工であると見られます(古着感覚の加工に使用される)。 チョークマーク部分を顕微鏡で観察すると、写真のように濃色部分に比べて白化部分が激しく毛羽立っているのがわかります。 この白化は、色素の退色よりも、繊維の分繊化(細かく毛羽立つ状態)による乱反射によって周辺よりも白く見えるものです。 筋状の白化の状態は、①折り目で筋が途切れていること、②二股状のものがみられることなどから、着用中というよりも洗浄中の湿摩擦によって発生した…





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