背広胸部分の摩耗損傷

5月にクリーニングし、顧客が11月に着用しようとしたところ、胸元の損傷に気付きました。   損傷部位①を、実体顕微鏡で観察すると、③の写真のように、②の正常部に比較して激しく毛羽立っていることが分かります。 また、この部位から繊維を採取して光学顕微鏡で観察すると④の写真のように切断された繊維の先端が分裂しているものが多く見られました。 獣毛繊維の先端が、分裂するのは摩擦による損傷の特徴を表しています。 事故発生位置を、検証すると右内ポケットの左上部分に当たり、習慣的にポケットに何らかのものを入れた状態で、上からシートベルトなどによって抑えられながら摩擦が繰り返されることによって損傷した可能性が高いといえます。…





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