ウェディングドレスの裾の目寄れ

 貸衣装業者から依頼されたウェディングドレスの主に裾部分に、多くのメヨレが発生していることを、クリーニング納品後指摘されました。 目寄れ発生の状態を観察すると、特に裾の部分に集中的に発生していることがわかります。 また、裾の始末部分の一部には、生地の解れも見られます。 実体顕微鏡で、組織を観察すると、正常部分は朱子織ですが、4本のヨコ糸ごとに1本分程度の間隙を作る構造で織られており、このことによって独特のテクスチャーを表現していることがわかります。 絹素材は、毛羽の少ないフィラメント糸であり、またここでは、光沢を出すために無撚糸として使用されており、一層滑りやすい構造であるといえます。このような生地構造の場合、十分にメヨレが発生することは予想されることから、樹脂によって糸を固定するスリップ止め加工が必要とされますが、生地の風合いがやや硬めになるということなどから、この製品にはそ…





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