一線を画したスリット糸の光沢消失

婦人カーディガンをクリーニング後に、後ろ身頃部分の下だけがラメの光沢が消失していることに気づきました。スリット糸(ラメ糸)は、一般にポリエステルのベースフィルムにアルミニウムを真空蒸着させたもので、通常この表面を樹脂で保護します。ベースフィルムの片面だけにアルミ蒸着し、表面に樹脂を塗って仕上げたワンプライタイプとベースフィルムの両側にアルミ蒸着し、両側からベースフィルムで挟んだツープライタイプがあります。ワンプライタイプよりも、ツープライタイプのほうが、品質が安定しており、光沢消失の事故が起こりにくいといえます。 顕微鏡で、正常部(写真)と光沢消失部(写真)を観察すると光沢消失部分では、アルミニウムが剥がれ落ちて、ベースフィルムだけになっており、また一部黒く酸化したアルミニウムが残っているのが確認できます。また、カバーのフィルムが見られないことからこのスリット糸は、ワンプライタイプのもの…





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