麻きもののカビによる黄褐変

紗のきものをクリーニングしたところ、全体に黄褐色のシミが発生しました。 衿の部分では、衿山に沿って、また中央縦に黄褐変が発生しています。中央部分は、畳み付ける際内側に折り込まれる部分で、衿山同様強く皮膚と接触する部分です。 縫い糸が、激しく変色し、部分によっては、縫い糸を中心に滲んだように黄褐変が生じている部分もあります。また、身頃のあちこちにシミ状に黄褐変が見られます。 変色部分を、ブラックライト照射試験したところ、黄緑の強い蛍光が見られました(デジカメの反応で写真では黒く見える)。 特に変色の激しい縫い糸の繊維を取り出して、光学顕微鏡で観察したところ、絹繊維と見られる繊維から、カビの菌糸と見られるものが生えたり絡み付いたりしている状態が見られました。繊維に発生するカビ菌糸の特徴として、繊維から直角に近い状態に生えていること、枝分かれしてい…





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