クリーニング店頭でのガス退色
綿素材のグレーの紳士ジャケットは、クリーニング仕上がり後約1ヶ月間消費者が、引き取りに現れず店頭に放置されていたものです。商品渡しの確認時に、袖部分から肩にかけての退色が見られました。 綿繊維などの植物系繊維で、淡色系の反応染料染色品が、帯状に退色する現象は、酸化窒素ガス(NOx)によるガス退色として、繊維業界では一般に知られています。 この製品を観察すると、発生状況は、製品の右側に集中し、特に肩口から袖の一部部分での帯状の退色が見られます。 綿繊維製品は、反応染料で染色されているものが多く、大気中の酸化窒素ガス(NOx)が染料と反応して分子構造が変化し退色が起きることがあります。特に衣類がポリ袋に入っている状態などで、汚染ガスが滞留し一定の湿度がある場合、吊るした状態では、外部に近い側のガスに触れやすい肩や袖の部分に発生します。 ポリ袋に入れた状態で保管すると繊維内部に残留してい…
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