いじるほどに濃くなり広がってしまう不思議な輪ジミ

紳士スラックスをドライクリーニングしたところ、輪ジミ状の黒い変色が発生しました。 修整しようとシミ抜き処理を行ったところシミ状の変色は拡大するばかりとなりました。   この製品には、国内表示はなく、英文表示で、表地:ウール65%、レーヨン30%、ナイロン5%、裏地:アセテート60%、レーヨン40%となっています。 事故品を、顕微鏡観察したところ、この現象は、いわゆるシミや汚れなどの色素によるものではなく、表地タテに使用されているウール、レーヨン混紡糸のうち白いレーヨン繊維だけが、溶解して脱落し、その結果濃色の糸だけが残留したことによって、事故部分が黒く変色したように見えるようになったことがわかります。 全体が、浸透の状態を示す輪ジミ状になっているのは、乾燥状態でセルロース系繊維(レーヨン)だけを溶解する強酸の液体が付着したことを示しています。これが、…





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