麻製品の汗汚れによる退色

イタリア有名ブランドのダークグレーのドレスシャツ(麻100%)を、ドライクリーニングしたところ袖の一部と衿部分がピンクに変色しました。着用してから2回目の洗いで変色が起きました。JIS表示は水洗い禁止、ドライ石油系。 麻製品は一般に反応染料、直接染料、バット染料等で染色されますが、染色堅牢度は低く、中希などの色むらが発生しやすいことが麻素材の特徴ともいえます。 当該事故品の場合は、袖、襟周りと汗や皮脂などの対分泌物と接触しやすい部分に発生していること、また麻素材の高い吸湿性による性質から、汗成分を吸収し藍系統の染料の分解によって、退色した可能性が高いといえます(汗堅牢度)。 汗に含まれるアミノ酸はブラックライトによる照射試験によって蛍光を発する性質があることから、同試験を実施しましたが、写真のように部分的な蛍光が見られました。また、染色堅牢度について、白布による湿潤摩擦を行ったところ…





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