スラックスに筋状の黒い変色が発生した

紳士スラックスをクリーニングしたところ、右大腿部前身頃に変色が発生しました。 製品は、相当に着古した感じがあり、股回りや前身頃大腿部に汗などの水溶性分泌物の影響と見られる変色が発生していました。 この製品は、毛90%、ポリエステル10%の組成となっており、ドライクリーニングだけでは、汗などの分泌物は、生地内に残留蓄積し、繊維を硬化させ、徐々に劣化させることになります。ことに、天然繊維において顕著に現れやすいといえます。 この製品の生地構造は、ヨコ糸は毛100%糸、タテ糸は毛とポリエステルの交撚糸となっていました。  事故品の黒い変色がタテに筋状に形成されていること、変色の形状に輪ジミあるいはティアドロップ状の液体による影響を示す形状が無いことから、スレなどの物性的な影響によるものと考えられました。 事故品の、特に黒っぽくなった部分を、顕微鏡で観察する…





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