シミ抜き作業の摩擦による毛羽立ち

生成り風淡色の婦人ジャケットの袖口に、色ムラが発生しました。 表地組成表示は、綿60%、レーヨン35%、ポリウレタンン5%。 ブラックライト照射試験で確認したところ、事故部分に、多様な薬品で処理したと思われるシミ抜きの形跡が見られます(写真)。外観を観察すると、事故部分に異常な毛羽立ちが見られます。確認のために顕微鏡で観察すると、正常部分(写真)に比較し、事故部分(写真)の繊維が起毛されていることがわかります。 以上からこの事故は、シミ抜き作業などで繊維を摩擦したため、繊維表面が分繊化し、白化したものであると判断されます。分繊化した繊維が乱反射するため白化して見えることから、柔軟加工や樹脂加工など生地表面を何らかの物で覆い、毛羽を寝かせる処理をすることによって白っぽさを一時的に抑えることができるものと思われます。 正常部分顕微鏡写真 激しく毛羽立っている事故部分顕微鏡写真 …





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