ニット製品の洗浄工程でのホツレ

婦人カーディガンのクリーニング仕上げ工程において、右肩近くの袖部分に約1cm程度の破れが生じているのを発見しました。 損傷部分の、糸の状態を顕微鏡観察したところ、繊維の切断の状態に特徴的なものが見られました。 この製品の素材は、アクリル50%とレーヨン50%の混紡糸ですが、アクリル繊維の先端が、細く伸びた形状になっており断裂に至っています。 アクリル、ナイロン等の粘性の高い合成繊維は、引張力によって、細く長く伸びる性質があることから、この損傷が引っかけなどの繊維が引きちぎられた事故によって発生したものであるといえます。 糸を構成する繊維の一部が損傷していたものが、洗浄工程の機械力によって、糸が引き切れた後、さらに揉み作用などによって、編み構造が解け穴開きが拡大したものであるといえます。 ただし、この引き切れが、どの時点でどのように発生したかについては、現品からは判定できません。 …





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