石油ストーブの影響と思われるガス退色急増

鮮やかな紫の刺繍の色が褪せてしまった 婦人ジャケットの左袖から左肩にかけて、鮮やかな紫色の刺繍が色あせてしまい、部分的には茶色っぽく見えるまでになってしまいました。これは、着用者の保管中に起きた事故です。 この製品の表地の組成は、レーヨン51%、アセテート33%、綿16%となっていました。 刺繍部分の繊維は、アセトンによって溶解することから、アセテートと判断されます。 褪色の状態の特徴とアセテート繊維という条件から、事故原因は酸化窒素ガス(NOx)による褪色と考えられます。酸化窒素ガスによる褪色の特徴は、繊維製品がタタミツケあるいは吊り状態で、上下あるいは前後に他のものが重なっている場合、外部の空気に接触しやすい露出している部分だけに帯状に現れます。この製品の場合、洋服ダンスなどに吊られた状態で保管されているとき、左袖側にドアがあり、前後に他の繊維製品が吊るされ左肩から袖にかけ…





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