ポリウレタンコーティングの皮脂の影響による剥離促進
フッ素系溶剤ドライ後、婦人ジャケットの襟周りのトリミングが剥離しました。 この種のポリウレタン樹脂コーティングの剥離事故は、樹脂の劣化によるものですが、その原因として、空気中の水分による加水分解や紫外線などが関与していることは、すでに各種試験データによって明らかになっており、一般に約3年の寿命ということが定着しています。 また事故の発生部位については、全体的な変化よりも襟周りなど特定の部位に生じている場合が多くあります。この原因は、着用で付着した「皮脂」によるところが大きいことが、繊維製品技術研究会(ATTS)によって指摘されています。 皮脂成分中の脂肪酸が吸収蓄積されると、ポリウレタン樹脂の加水分解による劣化が促進され、これにクリーニングでの作用(溶剤による膨潤作用、機械的作用など)が加わることによってコーティングの剥離が生じると考えられています。 この事故は…
この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)
また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。