接着樹脂の劣化溶解によるシミ

石油系ドライクリーニングしたところ、袖部分に斑点状のシミが発生しました。パークロルエチレンドライクリーニングしたところ、襟周り、ポケット下などにさらにシミが拡大しました。  この製品の組成(素材構成)は、ポリエステル68%、ポリウレタン32%という欧文表記があります。この組成の内、ポリウレタン樹脂は、生地の表面にはなく、裏コーティングまたはボンディング接着材料として使用されているものと見られます。右袖、襟周りにシミ状の汚染が見られますが、実体顕微鏡観察によると、シミ状部分の繊維は、粘着性のある樹脂が浸透していることが分かります。  試験針で繊維を動かすと、溶解した樹脂が糸引きするほどに浸透しているのが見られます。事故発生後数カ月程度経過した現在も、溶剤臭が強く、ポリウレタン樹脂に多量に溶剤が吸収されている状態であるといえます。 以上から、この事故は裏面にコーティングされたポリウレ…





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