ダウンジャケット袖口の焦げ

ダウンジャケットの右袖口に損傷が見られます。  損傷部分の切断面を見ると、繊維が溶解した形跡が見られます。  品質表示によると、表地はナイロン57%、ポリエステル43%となっています。 ナイロン繊維は強酸によって溶解する性質がありますが、ポリエステル繊維は強酸、強アルカリのいずれにも耐性があり影響を受けません。損傷は完全な穴開きとなっており、このことから、この損傷は薬品によるものではないといえます。 また顕微鏡観察では、損傷部に溶解した部分と茶褐色に炭化したとみられる部分があり、この損傷が熱による溶融であるといえます。  ナイロンの溶融点は250~260℃、ポリエステル繊維の融点は255~260℃です。アイロンの最高温度は日本工業規格で210℃とされています。このことから、アイロン等による原因は考えられません。 直接の原因については、推測することができませんが、300℃以上の金…





この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)

また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。

新規メンバー登録

ログインはこちら