シルク製品の風合い変化

シルクツーピースをクリーニング後、毛羽立ち、収縮、風合い、フィット感が失われていると消費者から申し出がありました。  収縮については、12年前の製品ということから、メーカーでは現品のサイズも不明ということで採寸による確認はできません。しかし、縫い糸の素材を実体顕微鏡で観察したところ、均一な繊維の状態と透明性の高い素材であることから合成繊維のように見られます。親水性の絹素材の収縮は、蒸気や水分によって発生しますが、疎水性の合成繊維とは収縮率に大きな差があるため、縫製部分でシームパッカリングという波打つ現象が起きることになります。しかし、現品では、全く縫製部分での変形は起きていないことから、収縮しているという判定が困難です。  毛羽立ちと感触の変化については、絹繊維の分裂によるフィブリル化の可能性が高いといえます。絹繊維は湿摩擦によって繊維が微細に分裂するという性質があります。この…





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