高級ブランドコートのカビによる脱色

10年前に購入して、一度も着用していないコートの表地全面に、ピンクの斑点が発生しました。 斑点状の変色は、表地全体に広がっており、色相からは、本来の色から青系統が退色したように見えます。  紫外線に対するアミノ酸の蛍光反応を見るブラックライト照射試験を実施したところ、写真のように、蛍光発色が退色した斑点部分に一致して現れました。この蛍光色はカビ菌に含まれるアミノ酸によるものであるといえます。また、飛散した粉末状に発生するのは、カビの特徴で、毛細管現象で拡散浸透する液体の影響によるものとは明らかに異なるものです。  カビは、一定の湿度と温度などの環境によって特に植物系繊維に発生しやすく、菌糸の成長と共に染料を分解したり、自身の色素を定着させたりします。 この斑点状の変色は、カビ菌による染料の酸化分解作用によるものであり。長期保管中に、一定の温度と湿度の条件があれば、特に温暖湿潤気候の…





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