ドライクリーニングでは落ちない尿汚染

紳士ズボンを石油系ドライクリーニング後、ズボンの前部ファスナー下あたりが黄色に変色している状態が見られました。 この素材は、レーヨン45%、ポリエステル35%、毛20%と表示された、コーデュロイ調のパイル起毛製品です。 顕微鏡観察から、パイルはレーヨン、基布はポリエステルと毛の混紡生地とみられます。 表面に表れている起毛部分は、レーヨンであって、吸水性の高い性質であり、水分はこの毛羽に集中することになります。 変色部分は、周囲の色相と同系統で、明度が高いことから退色であるといえます。 また、ブラックライト照射試験による紫外線による蛍光反応を見ると、内股部分左右に強い蛍光反応が見られます。特に退色している部分では、激しい蛍光となっています。これは、アミノ酸類の蛍光反応と見られ、尿などの分泌物がレーヨン繊維に浸透している状態であるといえます。また、この蛍光反応は、周辺にも飛沫状に飛び…





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