植物系繊維の汗・光複合退色
ブラウスをドライクリーニング後、襟部分に退色が見られました。 この生地には、糸目の詰まっている部分と粗い部分がありますが、ポリエステルの基布に綿とレーヨンの混紡糸がヨコ糸として織り込まれている部分が目の詰まっている部分になります。 申し出のあった退色現象は、この目の詰まった部分にだけ発生しているという特徴があります。すなわち、綿とレーヨンにだけ発生しているということです。 詳細に観察すると、同様の退色が襟周りにも発生しており、また一方の左襟部分にも多少の退色が見られます。 この部分を、アミノ酸の蛍光反応を試験するブラックライト照射試験で観察すると、鮮明な蛍光を発する部分が、退色部分に一致しています。人体から分泌される汗成分などのアミノ酸には紫外線を吸収して蛍光を発する物質があります。 ポリエステル素材は、吸水性が低いのですが、綿や木材パルプを原料とするレーヨンなどの植物繊維…
この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)
また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。