ジャージの箔転写の剥離

金色のジャージの光沢が消えてしまいました。 通常、箔転写プリントは、生地に熱溶融タイプの樹脂をプリントし、過熱(ベーキング)した後に箔を転写し、さらに過熱して定着させます。 箔転写プリントに半永久的な耐久効果がないことは知られています。また、消費者基本法上も商品販売時にこのことを表示し消費者の理解を得ているのが一般的です。 事故品の状態を観察すると、上着部分では、着用摩擦によると見られる部分的な剥離は多少あるものの、ほぼ全体に問題となるほどの剥離は見られません。しかし、ズボンについては、ほぼ全体に均一に箔が脱落しています。  JIS取扱い絵表示は、ドライ石油系可となっています。ドライクリーニング溶剤の一種であるパークロルエチレン溶剤(石油系溶剤よりも油脂溶解力が強い)で、前タテ下部分を軽く拭くという簡易試験を実施したところ、箔プリント自体が消失し、顕微鏡観察によると溶解…





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