フロック加工カーテンの経時劣化

カーテンにスレが発生しています。下部では理解できるが上部が擦れることは納得できないという申し出がありました。  この損傷について、まず本当にスレなのかについて検証しました。 損傷部分は、周辺が濃色に縁どられていること、損傷周辺に濃色の汚れのように見える部分があることが特徴的です。  実体顕微鏡で事故部分を観察すると、白い生地(基布)の表面を覆っていた皮膜が剥がれていることがわかります。  この製品は、フロック加工といわれる生地の表面に樹脂接着剤をコーティングして、その上にレーヨン繊維の毛羽を植毛したものです。さらにこの製品の場合、遮光性能のために、濃色の樹脂が基布にコーティングされています。つまり、①基布(ポリエステル/綿織物)、②遮光樹脂コーティング、③接着樹脂コーティング、④レーヨン毛羽層という4層構造になっています。  一般に、このような製品に使用されているポリウレタン樹脂…





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