梳毛スーツのテカリ

梳毛織物生地の表面が、部分的に光沢を発するようになっています。  光沢のある部分とない部分を実体顕微鏡で観察比較してみると、光沢のある部分は、生地の糸に膨らみがなく平面的につぶれた状態になっています。これに比較して正常部分は、糸に立体的な膨らみがあり、多少の起毛があります。  羊毛は、表面をエピキューティクル(スケール)といわれるウロコ状のもので覆われているため、摩擦することによってウロコ状の表面が削られ平滑になることで、一般にテカリといわれる光沢を発する現象が発生することが知られています。 この製品の光沢は、いわゆるテカリで、特に発生部位から、ズボンでは膝から下の裾部分に比較して前面太腿部分に多く発生していること、また上着では肘にあたる部分に発生しているなどの特徴から、着用行動によって、摩耗が繰り返され、起毛の消失と平滑化が進んだことによるものと推定されます。 ドライクリーニン…





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