水洗い不可製品の汗塩分の残留
婦人ジャケットをドライクリーニング後、右脇の下に白いシミが見られました。 際付き状態があることから、水溶液に含まれる物質が動いて乾燥した状態であると見られます。また、裏を見ると表の白い部分の裏側にも同様の白い状態があります。 実体顕微鏡で観察すると、白い結晶状の粒子が見られ、これが白色の原因であると見られます。 発生している部分が脇の下であり、裏部分では、縫製ラインのワリの部分に集中的に発生していることから、汗の主成分である塩分が付着しているものと見られます。塩分は、水溶性ですから精製水で白色部分を処理したところ消失しました。 以上から、この白色の物質はドライクリーニングでは除去できない水溶性の汗成分が、吸水性の高い綿繊維を伝って表面に現れたものであると見られます。また、左脇部分でも微かに同様の現象が見られます。ドライクリーニング以前は、皮脂汚れなどで、生地表面に濡れ効果があ…
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