金属触媒による酸化損傷

紳士ドレスシャツをランドリー処理したところ、襟周りの身頃部分に損傷が発生しました。 首周りという特定の部分に事故が発生したこと、事故製品の全てが綿100%との製品であるということに、この事故の特殊性があります。  この製品の破損状況は、繊維が脱落し穴あきが発生しています。このため、引裂きや破れによる損傷ではなく、繊維が分解して脱落したものであるといえます。綿素材を溶融する薬品は、一般的にはバッテリー液などの硫酸以外にはありませんが、発生部位などからその可能性は低いといえます。 被洗物に金属イオンが含まれている場合、金属が触媒となって植物繊維素の酸化作用が過激なものとなり、分解することがあります。首周りだけに発生していることから、着用者が直接綿生地に接触する金属製品を首周りに常時着用している可能性が高いといえます。18金のチェーン製品の例では、一般に75%の金に対し5~15%の銅が含有…





この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円/月(税別)

また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。

新規メンバー登録

ログインはこちら