蛍光染料の黄変と上着の繊維付着
紳士ドレスシャツの襟に黄ばみと汚染が見られます。 まず、ブラックライト照射試験によって、事故部分を観察すると、襟部分にだけ蛍光染料が使用されており、身頃部分には使用されていないことがわかります。このことから、ケアラベルの付記に「蛍光増白剤が入っていない洗剤を使用して下さい」と表示されているようです。蛍光染料は、本来黄みの生地に対して、補色である青紫発光の蛍光染料で染めることによって、白度を増す染色加工です。しかし、蛍光染料は紫外線の影響によって、徐々に分解し、生地が黄ばんでくることを防ぐことはできません。このため、一般家庭用白物洗剤には、蛍光増白剤が配合されており、蛍光の補充をするようになっています。この製品の場合、襟袖部分にだけ蛍光染料が使用されていることから、襟袖部分の黄ばみが進行する傾向にあります。また、特に襟部分は、皮脂汚れといわれるアミノ酸系の成分が汗によって浸透し、汚れたま…
この記事は有料会員限定です。ログインまたは新規メンバー登録と利用料をお支払い頂くとお読みいただけます。
DB利用のみ登録希望の方 会費 : 800円／月（税別）
また、新規登録によって、一般社団法人日本テキスタイルケア協会研究会員への申込資格を取得することができます。