事故解説では、外観上変色に見えても実際には損傷であったりするものもあるため、複数の項目に重複して紹介しています。
表地ナイロン100%の婦人キルティングコートの後、袖、背中部分に退色が見られました。 この退色は、発生状態に大きな特徴があります。 ①発生部位が袖、背中など特定の部分であり、浸漬洗浄では発生しないこと。 ②肉眼では微妙な […]
品質表示の無い婦人スーツを、クリーニング後、スーツ上下に脱色などの色ムラが表れました。 素材は、顕微鏡観察からポリノジックまたはテンセルなどのセルロース(植物繊維素系)再生繊維を主とする生地構造であると見られます。 不規 […]
パイル製品のスウェットパンツの腰裏部分に穴開きが見られました。 この製品の生地構造は、ポリエステル繊維のニット糸に、綿パイル(毛羽糸)が植えられた構造になっています。 顕微鏡写真は、裏側から事故部分の構造を見たものですが […]
婦人スーツのスラックスの随所に白化が見られました。特に右膝前部分に著しい白化が生じていました。また、上着の両肩部分、ボタンホール上などにも同様の白化が見られました。 この素材は、表に白い絹糸が表面に表れるようにフィラメン […]
ダウンハーフコートを、消費者が保管していたところ、保管中に背中及び左肘部分に黄変が発生していました。 この黄変は、シワの山部分に沿って発生しており、谷部分には発生していません。このため、接触によって発生したものであると思 […]
イタリア有名ブランドの婦人ジャケットを、石油系溶剤ドライクリーニング後、自然乾燥したところ、生地が硬化し全体に収縮しました。 事故品を観察すると、極度に変形しており、弾性素材の膨潤があります。また、石油系溶剤が弾性素材中 […]
婦人カーディガンをクリーニング後に、後ろ身頃部分の下だけがラメの光沢が消失していることに気づきました。スリット糸(ラメ糸)は、一般にポリエステルのベースフィルムにアルミニウムを真空蒸着させたもので、通常この表面を樹脂で保 […]
紳士スラックスの両太股裏のプレスライン部分の一部に損傷が起こっていました。この損傷の特徴は、プレスラインに沿って縦方向に損傷が発生しており、また左右ほぼ対称の位置に発生しているということです。 繊維の損傷の発生過程を検証 […]
ネクタイをクリーニング後、ノット結束部分に白化が発生しました。 白化の発生している部位を観察すると、着用時にノットを結束する部分に当たり、また白化が結束時の凹凸に沿ったものであると見られます。 大きな白化の他、剣先にもか […]
毛素材セーターの襟の裏部分に濃色のシミがあり、シミ抜き工程によっても取ることができません。顕微鏡観察すると、事故部分の繊維には色素が浸透し、染色された状態になっています。 事故部分を、撮影したものを、ハイコントラストにデ […]