販売時点での摩耗と考えられる退色

 麻54%、綿43%、ポリウレタン3%の婦人ジャケットの背中部分にヨコ一線の退色が見られました。  この退色の特徴は、ヨコ一直線であるという点です。また、両脇の身頃まで通っていることから、原反の時点ではなく、製品化された後に発生したものであることがわかります。 襟部分のトリミングにある金属の折り癖 該当部分を裏側から見ると、退色はありませんが、はっきりとした折ジワの形跡が見られます。また、この製品は、襟の縁にワイヤーがトリミングされていますが、その背中の事故部分とほぼ同じ位置の前面ラペル部分のワイヤーに折り癖が付いています。  以上から、この退色は一直線の退色部分を境に折りたたんだ状態での販売展示などの保管中に、摩擦を受けたことによって退色したものであるといえます。家庭での保管に問題がなかったのだとすれば、生産・流通時点で発生した可能性もあります。クリーニング後に鮮明になった理由と…





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