ニット製品のシワ加工の消失

セーターを石油系ドライクリーニングしたところ、シワ加工だったはずのシワが消失しているという申し出がありました。  生地の状態を詳細に観察すると、シワ加工が施されていた形跡が見られます。  生地の組成は、欧文表記によるとウール50%、アクリル50%となっています。 シワ加工は、単に絞りジワをつけるだけではなく、それぞれの素材に応じた形態安定加工がなされていなければなりません。ウールの場合は、シロセット加工に代表される薬剤による加工が最も耐久性の高い加工方法とされています。またアクリル繊維の場合、合成繊維の熱可塑性(高熱によって成形される性質)を応用して加工されます。  この製品の場合、ウール50%、アクリル50%という構成であることから、製品化された後に形態安定加工を施してあったとしても、熱セットだけによるものであった可能性が高いといえます。 また、このような素材構成のニット構造に…





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